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重症心不全治療について

重症な心不全の患者さんでは、病態の進行抑制のために薬による治療が行われますが、薬や心臓の手術でもあまり効果がみられない重症化した患者さんへの他の治療法としては、以下のものが挙げられます。

(1)左心補助人工心臓(LVAS)

心臓が十分な血液量を拍出することを維持できなくなった場合には、左心補助人工心臓が用いられることがあります。しかし、血栓症や感染症などの問題があり、現在のところ、心臓移植に代わるものではなく、心臓移植までのつなぎとして用いられています。
 

(2)心臓移植

他人の心臓を体内に移植する方法です。心臓移植がうまくいけば、退院後、社会復帰・復職・復学が可能で、元気な生活を取り戻すことができます。しかし、提供される心臓の数に限りがあるため、移植が必要なすべての患者さんに実施できるわけではありません。また、実施できたとしても、移植手術後は免疫抑制剤の服用を続けなければなりません。
 

(3)【再生医療】骨格筋由来細胞シート(ハートシート)心表面移植術

当院では世界初となる心不全治療用の再生医療等製品である骨格筋由来細胞シート(ハートシート)を用いた治療の実施が可能となりました。
ハートシートは、虚血性心疾患で重症心不全となった患者さんの治療を目的として、医療機関において、患者さんの大腿部から骨格筋を採取し、製造業者において培養して増殖させた後に、専用の容器に充填して凍結保存したものを医療機関において、細胞シートを作成し、患者さんの心臓表面に移植する再生医療等製品です。筋肉採取、細胞シート移植と2回の入院と手術が必要です。

 


 

この治療法は、心筋梗塞などの虚血性心疾患による重症心不全で、薬物治療やカテーテル治療、冠動脈バイパス手術などの標準的な治療を行っても心臓の機能が改善しないNYHA心機能分類がⅢ又はⅣ度、安静時における左室駆出率が35%以下の患者さんが対象となります。
治療選択においては循環器内科と心臓血管外科でのカンファレンスで議論し、患者さんにあった適切な治療を提案しています(ハートチームによる治療)。

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